管理人・三太郎が、国連UNHCR協会(国連難民高等弁務官事務所・日本委員会)に寄付した感想や寄付するにあたって調べた内容を紹介します。
世界的な問題である難民に関心がある方は、是非協力して頂きたいと思います。ただその一方で、国連UNHCR協会の寄付金集めの姿勢には、少し疑問があることも事実で…。
URL: http://www.japanforunhcr.org/
国連UNHCR協会について
国連UNHCR協会とは
難民問題を取り扱う国際連合難民高等弁務官事務所(略称: UNHCR)への日本での寄付金集めや広報活動を行っているNPO法人です。
国際連合の機関の国内委員会(=民間団体)ということで
・国際連合児童基金(ユニセフ:UNICEF)と 日本ユニセフ協会
・国際連合世界食糧計画(WFP)と国連WFP協会
の関係と同様です。
国連UNHCR協会への寄付金が急増している
国連UNHCR協会は、日本で寄付金を集めて、約75%を国連本部のUNHCRに送っています。
国連UNHCR協会が集めている寄付金額は、2012年が約13億円だったのが、2016年には28億円以上で、5年で2倍以上と急増しています。
下のグラフは、最近の国連UNHCR協会の寄付金額と本部拠出金額を示しています。
とはいえ、日本ユニセフの176億円に比べると、寄付金額の規模は6分の1以下です。
本部拠出金の割合は、日本ユニセフが80%に対して、75%となっています。
国連UNHCR協会に寄付してみた
国連UNHCR協会への寄付は、郵便局からの振替や銀行振込だと、手数料がかかります。
そこで、ネットから申し込んでコンビニ払いにしてみました。
国連UNHCR協会のサイトから、支払方法=コンビニエンスストア、受付番号決済、支払をするコンビニを選んで、寄付の金額と名前や住所などを入力して申し込みします。
URL:https://www.japanforunhcr.org/op/form?target=all&tab=donate&segment=monthly&
すると、選んだコンビニの払込票が表示されますので、印刷します。
近所のコンビニに、この払込票を持参して支払うだけです。
手数料を請求されることもありませんし、24時間何時でも利用できるので、やはりコンビニ払いはすごく便利です。
寄付して、3週間後くらいに礼状の入った封書が届きました。
中身は
- 礼状 (というより毎月寄付のための口座引落申込書)
- 口座引落申込書の返信封筒
- 領収書
- ポストカード
です。
国連UNHCR協会に寄付を勧めたい理由
難民支援はたいへん重要
紛争や迫害などで自分の家を追われた人々は、世界中で6,560万人(2016年末時点UNHCRの資料より)もいます。
このうち国境を越えて他国に逃げている人を「難民」と呼び、約1,720万人いるとされています。また、国境を越えないで自分の国に留まっている人を「国内避難民」と言い、約3,660万人います。他に「無国籍者」なども含まれます。
こういった家を追われた人々は、住むところも食べるものもなく、支援を必要としています。しかも、半数は18歳未満で、子どもや未来ある若者たちです。
彼らの命と安全を守り、人間らしく生きる権利を保障することは、同じ地球に生きる者として当然のことだと思われます。
日本にいると、難民問題は遠い世界のことのように思われますが、けしてそんなことはありません。我々も1人1人が手を差し伸べるべき、重い課題なのです。
ポストカードがもらえる
上で触れたように、送られてくる礼状のなかに未使用のポストカードが入っています。
なかなか良いなと思いました。
日本ユニセフももっと沢山寄付金集めてるんだから、真似してポストカードくらい配ったら良いのに…と思ったくらいです。
また、もちろん国連UNHCR協会は、認定NPO法人なので、寄付金は、所得税などの控除の対象になるのも、お勧めの点です。
国連UNHCR協会に寄付を勧めたくない理由
寄付金が助成金として還元されているカラクリ
国連UNHCR協会は、日本で集めた寄付金のうち25%を自分たちのために使って、75%を本部(UNHCR)に送っていると言っています。
出典:https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cde-wordpress/static/wp-content/uploads/2017/05/ar2016.pdfより
2016年度でいえば、28.5億円を集めて、うち21.3億円を本部拠出金に充てて、残りの7.2億円を自分たちの活動用に使っているわけです。
ところが、実は、国連UNHCR協会は、寄付で集めたお金をもっと多く自分たちで使っています。
それは一旦国連の本部に送られたお金のうちの1部が、助成金としてバックされているからです。助成金の額は、2016年度で約4.5億円です。
つまり、実質的には、28.5億円の寄付金のうち、本部に拠出された金額は、21.3億ー4.5億=16.8億円となり、国連UNHCR協会が自分たちのために使うお金が、7.2億+4.5億=11.7億円となるわけです。11.7億円と言うと、寄付金の41%にも上ります。
これでは、もしあなたが、1,000円寄付したとしても、難民のために使われるのは600円に満たないことになります。
メールやDMが多すぎる
国連UNHCR協会に寄付すると、すぐに寄付を求めるメールやDMが来るようになります。
頻度としては、国連WFP協会と並んで、もっとも多いと思いました。
たとえば、フィリピンで台風被害が起きたときも、すぐにDMが来ました。
台風被害で国連UNHCR協会が…?
もちろん自然災害でも難民が発生することもありますが、この場合は難民と言えるのでしょうか?
むしろ赤十字とか医師団とか自衛隊の方が優先のような気がして、管理人は違和感を覚えました。
寄付金集めのやり方がエグい
公益のために活動している団体なので、節度を持って、寄付を呼びかけて欲しいと思います。でも、国連UNHCR協会の場合は、情報商材とか怪しいサプリを売っている会社のエグいやり方を思い出させます。
たとえば、
1.サイトに載せている「寄付者の声」
サプリメント通販の会社がよくやっているのと中身も似ています。
URL:http://www.japanforunhcr.org/voice/
2.電話までかけてくるらしい
管理人は知らない電話番号は出ないのでわかりませんが、国連UNHCR協会は、支援者に電話することを明言しています。
URL:http://www.japanforunhcr.org/archives/1751/
3.例示される寄付金額が高すぎる
国連UNHCR協会の寄付のページに行くと、都度寄付の場合、例示されているのが「10,000円」「15,000円」「60,000円」となっています。
もちろん、貧乏な管理人・三太郎がやっているように1,000円でも大丈夫です。
が、他のNPOだと、例示されているのは「2,000円」とか「3,000円」からなのに、いきなり「10,000円」というのは、なんだかなぁと思います。
寄付の喜びが乏しい
日本ユニセフのところでも書きましたが、寄付した相手の顔が見えません。
むしろ、お金の集め方のえげつなさと相まって、日本ユニセフより一層寄付の喜びがないと感じました。
また寄付したい度:★(5星中1つ)
コメント
私も同意見に感じ寄付を辞めた者の一人です、
別に感謝の言葉が欲しいわけではないが もっと寄付しろ、的なメールにがっかりして嫌気がさしました。
貴重な資料ありがとうございました。辞めて後悔しないです。
管理人の三太郎です。貴重なご意見ありがとうございます。
正直言って、コンビニで募金した方が、まだ寄付している=社会とつながっている気がしますよね。
私は毎月決まった額で募金しています。
あくまでも気持ちの問題とは思いつつ、単発だと処理の人件費でほとんど残らないような気がしたためです。きっかけは駅の勧誘でしたが、寄付してみたいという人なら問題ないものの、迷ってるくらいの人だと引くくらいの押し方でした。
DMもそうですが無駄も多く感じます。また金銭に感情はないですが、支払う人間には感情があるので、賛同して納得して貰う努力は必要だと感じます。
貴重なご意見をありがとうございますm(__)m
また続けて社会貢献されていることに敬服致します。
私も、最近寄付に関する本を読んであらためて思いますが、寄付をしてもらう側が、寄付をする側の気持ちに配慮していないと感じることが多いですね。